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百貨店のOMO

人々の生活スタイルや価値観の変化に対応すべく、OMO(Online Merges with Offline、オフラインとオンラインの融合)を推進しています。OMOビジネススタイルの確立とは、リアル店のこれまでのビジネスを単にオンラインに拡張することではありません。様々なコンテンツを通じて、オンライン・オフラインの区別なく多頻度で接点を持って、お客さまの自己実現を継続的にサポートする。そのことへの共感で収益を得ていくというものです。
リアルでしか買えなかった不便の解消のために、2020年上期から開始したリモートショッピングサービス「リモオーダー」は、2021年上期は、月平均1億3000万円で、2020年下期との比較でみると30%増。コロナ禍にあってもお客様に安心してお買い物を楽しんでいただくための新たな接点として支持を集めており、ビジネスの側面でも順調に成長しています。また、阪神梅田本店では、日々の暮らしを豊かにする、ちょっとしたアイデアやヒントをお伝えするナビゲーターと呼ばれる社員が、それぞれの伝えたいコンテンツをインスタグラムで発信し、コミュニケーションを積み重ねることで、ファンコミュニティーを作っています。デジタルであっても、人のぬくもりを感じてもらえるのが、百貨店のOMO。OMO戦略で、顧客との接点を増やすことで、百貨店の新たな価値の創造に取組んでいます。

   

Hankyu PLATFARM MARKET

PLATFARMは、FARM(農場・牧場)とPLATFORM(基盤・土台)を組み合わせた造語。阪急うめだ本店食品売場で2019年にスタートした、毎月5日間の都市型・室内型ファーマーズマーケットです。取り扱う産物は、農産・畜産・水産・グロッサリー・日配・リカー・銘品と多種多様です。
Hankyu PLATFARM MARKETが捉える3つの課題、それは「地域創生」「文化継承」「環境保全」。日本の豊かな食と食文化を持続可能なものにするための課題を、小売の力で解決したい。美味しさへのこだわりだけでなく、未来への熱い想いを持って日々ものづくりに励まれる事業者の皆さんを応援するべく、私たちは"売る・伝える・つなぐ・共に成長する"を行動規範に活動を続けています。小売として“売る”ことはもちろんですが、現地に赴き生産現場や事業者さんの想いを直に感じ、またそれをお客様に“伝える”ことも大切にしています。
この取り組みをさらに拡大するべく、2022年1月12日に小さな常設売場を立上げ。今後はこの売場を更に拡大しつつ、OMO実現に向けてECもブラッシュアップし、デジタル&リアルにおいて事業者の皆さんとお客様を“つなぐ”役割も果たしていきます。私たちのビジョン、「事業者の皆さん・お客様とともに豊かな食と食文化を未来につなぐプラットフォーム」を目指し、これからも邁進していきます。

   

APRIL 2021
『寧波阪急』は 中国初の体験型「デパートメント・モール」

2021年4月、中国の浙江省(せっこうしょう)寧波(ニンポー)市〔上海の南 約200キロ〕に寧波阪急(売場面積11万6000平米)を開業しました。中国では初めての百貨店の強みとショッピングセンターの強みを併せ持つ体験型「デパートメント・モール」です。また、同店はエイチ・ツー・オーリテイリングの大型商業施設としては初の海外直営出店となります。また、地下1階には、当グループの泉屋が出店しました。
寧波阪急がある寧波市は大阪府下人口とほぼ同じ850万人の人口を抱える商工業が発達している港湾都市です。店舗は市内中心部から車で約20分の再開発エリアに位置し、周りには市庁舎、金融街やコンベンションセンター、富裕層向け高層マンション等が配されています。
寧波阪急は地下1階~地上6階の7層建てで、約380のテナントを誘致しました。店の主なターゲットを1980年代、1990年代生まれを中心とする購買力の高い知的ニューチャイナと定め「ハイエンド&高感度ファッション」、「上質で楽しい食スタイル」、「体験とエンターテイメント」、「ジャパンコンテンツ」を核に店輔開発を行いました。今後は、寧波阪急事業を確立し、寧波阪急を拠点にECや高級食品スーパー、サービス事業など、関連事業を開発予定。さらに、阪急うめだ本店との連携で、プロモーションコンテンツや顧客サービスを充実・強化し、商品、高い経済力、購買力を持つ中国浙江省の富裕層・アッパー層に向けたビジネス展開を行い、新市場での顧客開拓を図っていく計画です。
(年間売上高目標 30億元(約500億円))

   

楽しさNo.1百貨店

これからの阪急阪神百貨店が目指す姿は、お客様の暮らしを楽しく、心を豊かに、未来を元気にする「楽しさNo.1百貨店」です。阪急、阪神の個性際立つ店をとおして、モノではなく「生活文化価値」、買い物ではなく「体験価値」、他人・社会の眼ではなく「自分価値」、現在価値ではなく「未来価値」、普通ではなく「独自価値」といった「新しい価値」を「楽しさ」に包んで「商品・サービス」を提供し、エンターテインメントを通じて物販にナビゲートしていくことを目指しています。
そして、OMO(オンラインとオフラインの融合)のビジネススタイルの確立をベースにオフラインの対面からオンラインを活用して顧客にお役に立つことで、つながり続けるビジネス、顧客の自己実現をサポートするという、新しいビジネススタイルの確立を目指しています。
2021年度JCSI(日本版顧客満足度指数)では、百貨店部門で、阪急百貨店が5年連続1位に輝きました。我々の企業ブランドに対する、顧客の期待に真摯にお応えするためにも、お客様の生活を豊かにすることができる楽しさNo.1の百貨店づくりに挑戦し続けます。

   

小林一三とH2O

当社の創業者 小林一三は、1907年箕面有馬電気軌道株式会社を設立しました。これがのちに、阪急阪神東宝グループへと発展します。一三は、鉄道路線を拡大し、大阪(梅田)を起点に、路線ネットワークを宝塚・神戸・京都の関西広域エリアに拡大しました。また、「大衆第一主義」という言葉で表される大衆の生活に密着した事業を中心に、消費者の欲求を満たすため沿線住宅地開発をはじめ宝塚歌劇などレジャー施設やビジネスホテルの設立、そして日本初のターミナル駅構内に阪急百貨店(ターミナル百貨店)を開業させるなど画期的な事業を次々に展開しました。人々のニーズを掘り起こし、旺盛なサービス精神と溢れるアイデアにより、「ビジネスを通して人々の暮らしを豊かにする」という一三のDNAは、現在の当社にも脈々と受け継がれています。現在、阪急阪神百貨店を中核事業とするHOリテイリンググループでは、「地域住民への生活モデルの提供を通して、地域社会になくてはならない存在であり続けること」を企業理念として、生活になくてはならない存在である(HO=水)に置きかえ、グループ名称を“エイチ・ツー・オー(HO)”としました。百貨店事業、食品事業、不動産事業などさまざまな業種業態により、地域のお客様の期待に応えていく。これを繰り返すことで、地域のお客様にとって“なくてはならない存在”を目指します。

 

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